2022 年 59 巻 2 号 p. 175-178
中枢神経系への浸潤を伴う未分化大細胞リンパ腫(ALCL)に対して化学療法と髄注に放射線照射を追加した治療で寛解を持続している症例を報告する.症例は5歳男児.来院時は左頸部にリンパ節腫脹を認めた.MRIで脳内に腫瘤を認め,髄液細胞診は細胞数26/μLで,細胞診は陽性であった.PET-CTでは,原発巣の他に骨と皮下に多数の異常集積像を認め,脳内腫瘤部は異常な集積を認めた.骨髄検査は異常なかった.頸部リンパ節生検の病理所見でALK陽性ALCLと診断し,病期はIV期であった.治療は,ALCL99プロトコールを中心に大量メトトレキセートと大量シタラビンを含んだレジメンを追加した.髄注は10回行い,3回目の髄注時から細胞診は陰性になった.放射線療法は,全脳全脊髄照射18 Gy(12分割)を行った.現在,診断から58か月,治療終了後38か月を経過し,寛解を維持し生存中である.