日本小児血液・がん学会雑誌
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ゲノム教育セッション:血液腫瘍遺伝子パネル検査の臨床実装に向けて
遺伝子解析の基本知識
加藤 元博
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2022 年 59 巻 3 号 p. 255-258

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抄録

ゲノム解析技術の進歩により,がんの病態の理解が深まるとともに,診療においてもゲノムプロファイリング検査として導出されている.しかし,次世代シークエンサーなどで得られるゲノム解析の結果は膨大かつ複雑であり,その内容を判断するためのリテラシーが求められており,ゲノム解析の基本的な知識や,用語の理解が重要となっている.例として,バリアントアレル頻度は腫瘍含有率やコピー数変化によって影響される.また,多数の変異の中にはドライバー変異とパッセンジャー変異があり,その病的な意義は専門家の知識のもとに区分されるが,明確に区別できないものも多く,さらには新たな知見によって変わり得るものであることに注意が必要である.ゲノム解析の特性を知ることで,ゲノム検査の限界を把握することもでき,最大限に活用できるようになる.

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© 2022 日本小児血液・がん学会
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