日本小児血液・がん学会雑誌
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その他(総説の続報)
小児がん患者における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)―2022
石田 也寸志
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2022 年 59 巻 3 号 p. 324-330

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抄録

2021年12月以降の小児がん患者の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関してレビューした.英国ではCOVID-19流行後がん診断数の減少がみられ(−17%),特に脳腫瘍(−38%)およびリンパ腫(−28%)で有意の減少がみられた.本邦でも血球貪食症候群の総発生率は73.7%に減少していた.小児がん患者のCOVID-19による死亡率は,高所得国3%,高中所得国12%,低所得国13%の差があり,3,354例のメタ解析では4%と報告された.米国大規模小児がんCOVID-19レジストリーで1,950例が集積され,血液腫瘍で重症度が高く,死亡例73例(3.7%)のうち血液腫瘍が45%,再発例が59%を占めていた.本邦では2022年7月1日現在61例の報告があり,ほとんど軽症か無症状で死亡例はなかった.カナダの小児・AYA世代がんの5年生存者12,410人と124,100人の対照者が比較され,がんサバイバーはPCR検査数や回数は多いものの,SARS-CoV-2陽性者は同等で(3.1%対3.2%),臨床リスクの増加はみられず死亡した人はいなかった.がんサバイバーはワクチン接種率が有意に高く,COVID-19感染リスクや重症化リスクを増大させることはなかった.COVID-19流行は世界の小児がん診療の労働環境に大きな影響を与え,スタッフ配置に困難な変更をもたらし,長期フォローでは遠隔診療などの活用が行われている.

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© 2022 日本小児血液・がん学会
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