日本小児血液・がん学会雑誌
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シンポジウム5:小児がんの陽子線治療の保険診療収載から5年たって
京都府立医科大学における小児がんに対する陽子線治療
相部 則博
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キーワード: 陽子線治療, 小児がん
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2022 年 59 巻 5 号 p. 366-369

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抄録

京都府立医科大学では2019年4月より保険診療として小児がんに対する陽子線治療提供を開始した.本院の陽子線治療装置は株式会社日立製作所製の小型装置で,動体追跡照射が可能なスポットスキャニング専用装置である.治療装置のX線画像撮影装置によりcone beam CTを含めた画像誘導放射線治療が可能である.スポットスキャニング照射により,広範囲な病変にも高精細な治療を提供でき,全脳全脊髄照射を含めた様々な治療に対応できる.陽子線治療室は2室あり,1室は小児がん治療用に内装装飾を施すなど,患児がリラックスした環境で治療を受けられるよう配慮すると共に,小児科と連携した鎮静下治療が可能な環境を整えている.また,他施設からの受け入れ窓口として京都府立医科大学附属病院ホームページ上に「小児がん問い合わせ窓口」を設けて事前相談に対応し,入院治療が必要な場合も小児科と連携し柔軟に対応している.治療開始後から2021年9月末までの小児がん症例は34例であった(鎮静必要症例21例,全脳全脊髄照射症例5例,院外受け入れ症例7例).現時点では,ニーズに合わせた治療を安全に提供できていると考えているが,一度に対応可能な鎮静必要症例の受け入れ体制には限界があり,他の陽子線治療施設と連携した受け入れ体制の整備が必要であると感じている.当院における陽子線治療提供の現状と陽子線治療受け入れ施設としての課題について,私見を交えて報告する.

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© 2022 日本小児血液・がん学会
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