日本小児血液・がん学会雑誌
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症例報告
経口マルチキナーゼ阻害薬の使用により在宅療養が可能となった難治性Ewing肉腫の1例
宮下 晶大嶋 宏一森 麻希子本田 護入倉 朋也渡壁 麻依三谷 友一福岡 講平荒川 ゆうき細川 崇洋小林 雅夫産本 陽平川嶋 寛市村 香代子中澤 温子森 尚子康 勝好
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2022 年 59 巻 5 号 p. 430-434

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抄録

近年,Ewing肉腫(EWS)を含む難治性悪性腫瘍に対する低分子チロシンキナーゼ阻害剤の有効性が報告されている.症例は右胸郭の限局性EWSと診断した9歳男児.標準的化学療法を行ったが,治療反応性に乏しく,手術不能であった.以後,自家末梢血幹細胞移植を併用した大量化学療法,放射線照射,さらに複数の化学療法を実施したがいずれも治療反応性不良であった.その後,パゾパニブ内服を開始したところ,腫瘍が縮小し,6か月間,安定した状態を維持した.しかし,腫瘍が再増大し,呼吸状態が悪化したため,カボザンチニブ内服を開始したところ,呼吸状態が改善した.これらの経口マルチキナーゼ阻害剤は,小児難治性EWSに対して腫瘍抑制効果を発揮することにより,患児の入院管理を不要とし,9か月間の在宅療養を可能とした.

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© 2022 日本小児血液・がん学会
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