2022 年 59 巻 5 号 p. 430-434
近年,Ewing肉腫(EWS)を含む難治性悪性腫瘍に対する低分子チロシンキナーゼ阻害剤の有効性が報告されている.症例は右胸郭の限局性EWSと診断した9歳男児.標準的化学療法を行ったが,治療反応性に乏しく,手術不能であった.以後,自家末梢血幹細胞移植を併用した大量化学療法,放射線照射,さらに複数の化学療法を実施したがいずれも治療反応性不良であった.その後,パゾパニブ内服を開始したところ,腫瘍が縮小し,6か月間,安定した状態を維持した.しかし,腫瘍が再増大し,呼吸状態が悪化したため,カボザンチニブ内服を開始したところ,呼吸状態が改善した.これらの経口マルチキナーゼ阻害剤は,小児難治性EWSに対して腫瘍抑制効果を発揮することにより,患児の入院管理を不要とし,9か月間の在宅療養を可能とした.