2022 年 59 巻 5 号 p. 435-439
非血縁者間末梢血幹細胞移植後,特徴的な画像所見から診断し治療介入したEBウイルス(Epstein-Barr virus: EBV)脳幹脳炎を経験したため報告する.症例はFLT3-ITD変異陽性の急性骨髄性白血病の13歳男児.抗胸腺グロブリン(Anti-thymocyte globulin: ATG)を含む前処置でHLA-DR座1抗原ミスマッチ非血縁者間末梢血幹細胞移植後day 104に意識変容が出現した.頭部MRIで,両側対称性に視床,視床下部,内包,海馬傍回,中脳から延髄を主体にFLAIR,T2で高信号を認め,末梢血リンパ球のCD20陽性細胞増加所見と併せてEBV脳幹脳炎と診断した.Rituximabによる治療が奏功し神経学的後遺症なく回復した.後日,血液,髄液検体でのEBV-DNA陽性が判明した.移植ソースの多様化によりATGの使用が増え,同様な症例に注意が必要である.