日本小児血液・がん学会雑誌
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JSPHO&JCCG特別企画 ジョイントシンポジウム:小児血液・がん領域の臨床研究の進め方
疾患登録と前方視的観察研究の現状と課題―造血器腫瘍―
多賀 崇齋藤 明子
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2023 年 60 巻 2 号 p. 109-112

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抄録

本邦における小児造血器腫瘍疾患の治療成績と生活の質の向上を目的に,日本小児白血病リンパ腫研究グループ(JPLSG,現日本小児がん研究グループ:JCCG“血液腫瘍分科会”)が,2003年に組織された.小児造血器腫瘍疾患を対象とした臨床研究の実施に際し,症例の病態を正確に把握するための中央診断/検査体制や,試料の二次利用を念頭においたバンキング体制の構築を,「日本小児がん研究グループ血液腫瘍分科会(JPLSG)における小児血液腫瘍性疾患を対象とした前方視的研究(CHM-14)」のもとで行っている.一方,疾患名や転帰などを継続的に収集し,疾患発生数や死亡数,及びその年次推移などを明らかにする疫学調査が,2006年から日本小児血液学会(現日本小児血液・がん学会)により開始され,非腫瘍性血液疾患も含めた本邦における小児造血器疾患の実態把握に努められている.現在は小児固形腫瘍疾患と合わせ,「20歳未満に発症する血液疾患と小児がんに関する疫学研究」として本学会学術・調査委員会のもと継続されている.疫学的調査を学会が担い,診断・治療法開発のための臨床研究を臨床研究グループが担うというすみわけがなされている.両者で重複して取得される項目もあり,参加医療機関への利便性を向上させる努力も図られているが,依然,累積する症例の追跡にかかるエフォートなどへの対策の検討が求められている.

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© 2023 日本小児血液・がん学会
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