日本小児血液・がん学会雑誌
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症例報告
初発時の好中球FISHでminor BCR::ABL1陽性であったフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の1例
小島 涼關中 佳奈子關中 悠仁川口 裕之野々山 恵章森谷 邦彦今井 耕輔
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2024 年 61 巻 3 号 p. 288-291

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抄録

我々は,フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)患者にて,初発時末梢血好中球でもBCR::ABL1キメラ遺伝子が検出された症例を経験した.症例は9歳男児.minor BCR::ABL1キメラ遺伝子陽性Ph+ALLと診断した.初発時の末梢血好中球FISH検査においても,BCR::ABL1陽性.ダサチニブ併用化学療法を開始し,分子遺伝学的寛解に至ったが,強化療法後に分子再発し,造血細胞移植の適応と判断した.近年,Bリンパ芽球以外の細胞でもBCR::ABL1キメラ遺伝子が検出され,慢性骨髄性白血病(CML)様の疾患背景を有する“CML-Like Ph+ALL”という疾患概念が提唱されており,本症例もこれに該当すると判断した.CML-Like Ph+ALLの病態や予後は不明な点が多く,今後の症例の蓄積により,最適な治療法の確立が望まれる.

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© 2024 日本小児血液・がん学会
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