2024 年 61 巻 3 号 p. 292-296
小児の自己免疫性溶血性貧血はまれであり,長期経過の報告は殆どない.初診時4歳女児でHb 5.3 g/dLと重症貧血あり,臨床的にクームス陰性自己免疫性溶血性貧血と診断した.Hb値は副腎皮質ステロイドの用量依存性であり,6か月後のリツキシマブ治療で部分改善を得て1年6か月後に治療を終了した.軽度貧血と溶血あるが無治療で経過観察していた.診断6年後より補体の軽度低下や全身性エリテマトーデス関連自己抗体の弱陽性を認め,診断11年後に分類基準を満たしたが溶血性貧血を除く臨床症状はなかった.同時期に月経不順あり,血液プロラクチン上昇あり,頭部MRIでプロラクチノーマと診断した.ドーパミン作動薬を開始してプロラクチン値は低下して治療継続している.自己免疫性溶血性貧血にプロラクチノーマを発症した症例報告はなかった.一方,全身性エリテマトーデスでは20~30%にプロラクチノーマを認め,本症例でも同様の自己免疫機序の関連が示唆された.