日本小児血液・がん学会雑誌
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シンポジウム4:小児血液腫瘍医療の集約化と均てん化
小児固形腫瘍治療における小児外科医の役割と課題
東間 未来
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2024 年 61 巻 5 号 p. 324-326

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抄録

小児がん治療は集約化に向けて大きく舵を取っている.小児固形腫瘍の治療も同様であり,そこに小児外科が占める役割は小さくない.厚労省が定める小児がん拠点病院には小児外科医が充足しているが,小児がん治療連携病院は必ずしも小児外科医が充足しているとはいえず,小児固形腫瘍治療の地域格差が生じる懸念がある.また,小児外科医にとって,小児がん認定外科医資格の取得はハードルが高い現状があり,厚労省が描く腫瘍治療の理想と現実には乖離があるのが現状である.すでに腫瘍治療の経験豊富な医師が地域内の病院に赴いて治療にあたるといった試みが始まっている地域もある.小児外科の基幹病院においては,医師をある程度集約させて腫瘍治療などの専門性を高めたチームを複数作るといった層の厚い組織づくりが腫瘍治療の集約化・均てん化に資すると考える.

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