血友病の治療が目覚ましい進歩を遂げる中,近年では出血が十分予防されているかだけではなく,患児・家族の生活の質(QOL)の向上も重要な治療評価の指標となってきている.エミシズマブは抗体製剤として,皮下注射による投与であること,半減期が長いことなど,これまでの血液凝固第VIII因子製剤とは異なる特徴を有している点から患児・家族のQOLの向上が期待されている.実際,HAVEN studyなど国際臨床試験,第1/2相試験,HOHOEMI試験など国内の患者を対象とした臨床試験や,その他の調査の結果から,小児,成人いずれにおいてもインヒビターの有無にかかわらず,QOLの向上が多く報告されてきている.またエミシズマブは選好度調査も行われているが,エミシズマブが投与された小児,成人患者いずれからの評価も高い結果であり,その理由には前述のエミシズマブの特徴が関連していた.宮城県立こども病院における投与例の調査からは小児血友病A患児ばかりでなく,その家族のQOL向上にも貢献している可能性が示唆されている.今後,エミシズマブの広がりやさらなる治療薬の進歩によって,血友病患児・家族のQOLのさらなる向上が期待される.