2025 年 62 巻 1 号 p. 52-58
緒言:DNAメチル化解析を用いた分子分類は小児中枢神経腫瘍の診断,分類において大きなインパクトを与えているが,本分類についての日本からのまとまった報告は少ない.方法:当院の保存腫瘍検体のDNAメチル化解析を実施し分子分類,コピーナンバー解析結果を得た.結果:解析対象は合計53例61検体であった.結果の確度が高いとされるcalibrated scoreが0.9以上を示した症例は28検体(全体の46%)で,うち1検体が診断の変更を示唆し(有用性A),4検体はWHO分類第5版に基づく診断を付記でき(有用性B),18検体はWHO分類には含まれないが予後に関連した分類もしくはコピーナンバー異常の情報を付加でき(有用性C),5例で病理診断を支持する分類結果が得られた(有用性D).さらに,calibrated scoreが0.9未満でも0.5以上を示した13検体では,1検体が有用性A,1検体は有用性B,5例で有用性C,6例で有用性Dの結果が得られた.また,Calibrated score高値を示すためには髄芽腫であることが統計学的に有意な要因であった(オッズ比12.56,p=0.004).結語:DNAメチル化解析を用いた分子分類は分子分類は,大半の症例で病理診断をサポートする,もしくは予後に関連する臨床的に有用な情報を得られ,さらに多数例での前方視的実施が望まれるため,現在臨床研究を実施中である.