日本小児血液・がん学会雑誌
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シンポジウム2:小児希少固形腫瘍の病理と臨床
小児にも発生する成人型のがん~その特徴と成人発生との違いについて
福島 裕子中嶋 七海坂井田 美穂石井 真美井上 健
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2025 年 62 巻 2 号 p. 153-160

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抄録

小児期には多種・多様ながんが発生するが,造血器腫瘍や脳腫瘍,骨軟部腫瘍などの非上皮性腫瘍が多く,成人期に好発する悪性上皮性腫瘍(成人型のがん)が発生することは極めてまれである.しかし,ある種の成人型のがんは,小児期にもある一定の頻度で発生することが知られている.15歳以下の悪性上皮性腫瘍の自験例の検討では,甲状腺癌(乳頭癌,髄様癌),副腎皮質癌,大腸癌,Fibrolamellar variant of hepatocellular carcinoma(FLHCC),膵腺房細胞癌,肺粘表皮癌などがみられた.甲状腺髄様癌は多発性内分泌腫瘍症2型のサーベイランスにて発見されており,副腎皮質癌ではこれを契機にLi-Fraumeni症候群が判明した.大腸癌では体質性ミスマッチ修復欠損症候群のサーベイランスにて発見されている症例があった.このように小児には成人と同様の組織像を示す腫瘍が発生することがあるが,遺伝性腫瘍との関連など,成人期のものとはその背景が異なることも多い.またまれな成人型の腫瘍であるが,小児では比較的頻度の高い腫瘍(FLHCC,膵腺房細胞癌,肺粘表皮癌など)の存在にも留意する必要がある.本稿では小児期にも発生する成人型のがんについて,実際の症例を提示するとともに,その特徴と成人発生との違いについて概説する.

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