2025 年 62 巻 5 号 p. 325-331
小児AMLの再発例では根治が困難で,終末期ケアの充実が求められる.今回,複数回造血幹細胞移植(HSCT)後に死亡した小児急性骨髄性白血病(AML)31例(JACLS参加16施設)を対象に,終末期における協働意思決定(SDM)の実態を後方視的に検討した.SDM実施17例,非実施14例を比較したところ,根治困難の判断は医師のみ58%,多職種協議23%で,SDM群では疼痛緩和や酸素投与などに心理社会的支援を加えた多面的ケアと多職種関与の傾向を認めた.患者の参加は限定的で,SDM群で18%,10歳以上でも40%未満であった.SDM非実施の主理由は保護者の積極的治療継続の希望64%,十分なSDM前の死亡29%で,死因はSDM群で原病死,SDM非実施群で移植合併症死が有意に多かった(p<0.05).死亡前1か月の在宅療養は少なく,主な療養・死亡場所は病院であった.本研究の限界として,後方視的研究であること,対象症例数が少ないこと,研究期間が長く時代差の影響を受けうること,SDMの具体的内容を収集していないこと,患者・保護者の視点を直接評価していないことが挙げられる.今回の結果から,SDMは終末期ケアの多面性と連携を促進する一方,本人参加の強化が課題であり,適切なタイミングでの反復的なSDM体制,アドバンス・ケア・プランニングの標準化,地域連携(在宅支援を含む)の強化が求められる.