2025 年 62 巻 5 号 p. 342-346
末梢挿入型中心静脈カテーテル(peripherally inserted central venous catheter: PICC)が小児がん患者に使用される頻度が増えている.PICC留置後の合併症として,カテーテル関連血流感染症や血栓症などが報告されているが,同一患者にPICCを繰り返し挿入した際の合併症の検討は少ない.今回,初発のB前駆細胞性急性リンパ性白血病の小児患者で,PICC反復留置後に無症状の両上肢の静脈狭窄を認めた症例を経験した.初発時の治療は上肢のPICC挿入血管を変更しながら完遂したが,再発時に上肢からのPICC再挿入が困難となり長期留置型カテーテルの埋め込みを要した.PICCを留置した上肢の静脈は腋窩部で血管内腔の狭窄をきたし,PICC再留置が困難になり得る.小児急性白血病の初発時はPICC挿入血管を変更しながら治療完遂が可能だが,PICCの長期留置の安全性や,PICC留置後の無症状の血管狭窄の臨床的問題の有無について更なる評価が必要である.