2026 年 63 巻 1 号 p. 51-55
Gliomatosis Peritonei(GP)は,卵巣未熟奇形腫(ovarian immature teratoma; OIT)に合併する成熟glia組織からなる結節病変であるが,その由来は未解明である.今回我々は,OITとGPの両組織の全エクソーム解析を行い,それらの関連性について解析した.症例は14歳女子.腹部膨満を主訴に受診し左OITと診断された.左卵巣腫瘍摘出術後13か月で腹腔内に多発するGPの発症を認めた.コピー数解析で,両組織とも全染色体に及ぶcopy neutral loss of heterozygosityを検出しそのパターンは共通していた.遺伝子変異解析では,各々の組織に腫瘍の発生進展に関わるdriver変異とは異なる体細胞変異が独立して獲得されていた.我々の解析からOITとGPは共通のancestral cloneに由来することが示唆され,OITとGPの表現型の違いを決定する因子についてさらなる解析が必要と考えられる.