日本小児血液・がん学会雑誌
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症例報告
上大静脈症候群に対する緩和的ステント治療により終末期のQOLが改善した急性骨髄性白血病
田村 真一谷掛 雅人内藤 優樹友安 千紘矢野 未央武田 昌克大津 修二角山 正博香月 奈穂美岸本 光夫石田 宏之
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2026 年 63 巻 1 号 p. 61-66

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抄録

急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia, AML)による悪性上大静脈(superior vena cava, SVC)症候群(SVC syndrome, SVCS)に対し,症状緩和のためステント治療を行った.症例はAMLの13歳の男児.HLA半合致の母より末梢血幹細胞移植を施行後,維持療法を行っていたが,9か月後に縦隔腫瘤を形成して再発した.腫瘤の増大によりSVCSを呈し,両上肢の強い浮腫と呼吸困難が出現した.放射線治療により数日で腫瘤は縮小したが,症状の改善は見られなかった.左右の腕頭静脈からSVCの狭窄部にステントを留置し血管形成術を行ったところ,速やかに症状は改善した.血管形成術から3か月後に白血病が進行し永眠されたが,ステント留置部位の血流は維持され,最期まで両手を自由に使うことができた.ステント治療は,SVCSに対する有用な緩和的治療法の一つであり,担がん患者のQOLを向上させうると考えられる.

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