日本小児血液・がん学会雑誌
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シンポジウム1:非腫瘍性血液疾患のup to date
新規出血性疾患:出血性線溶異常症
鈴木 優子
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2026 年 63 巻 2 号 p. 102-107

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抄録

近年,外傷や産科出血などの急性出血性病態において抗線溶薬が有効であることが大規模臨床試験により示され,線溶活性の過剰と出血増悪との関連が示唆されている.さらに非常に稀ではあるが,先天性に線溶活性が過剰となる病態として,線溶抑制因子(plasminogen activator inhibitor-1,α2-plasmin inhibitor,thrombin-activatable fibrinolysis inhibitor)の機能不全により重篤な出血を来しうることが報告されている.臨床的に,出血時には血小板機能や凝固能がまず評価されるが,線溶能については日常診療で広く用いられる機能的評価法が限られており,十分に検討されているとは言い難い.我々は,原因不明として扱われてきた出血症の一部において過剰な線溶活性が出血の原因となる可能性に着目し,包括的な線溶能の評価を行うとともに各線溶抑制因子の機能を検出することで責任分子の特定に繋がると考えた.これは,線溶系の活性化は凝固反応に伴って惹起され,フィブリンなどの固相面において反応が大きく増幅される系であるとの理解に基づくものである.本講演記録では,リアルタイムイメージング解析により我々が実証してきた線溶反応の時空間的特性について紹介する.さらに,このような線溶系の特性を踏まえた機能検出法として,従来より用いられているフィブリンクロット溶解アッセイを応用し,我々が提唱した新たな疾患概念「出血性線溶異常症」の診断の流れについて概説する.本講演記録を通して疾患概念の普及を図りたいと考えている.

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