日本小児血液・がん学会雑誌
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シンポジウム2:小児がん治療における腫瘍微小環境と免疫応答の新展開
小児外科医による腫瘍微小環境からみた神経芽腫の病態・治療開発研究
文野 誠久
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2026 年 63 巻 2 号 p. 130-133

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抄録

【はじめに】神経芽腫における腫瘍微小環境(TME)は,転移促進や治療抵抗性の要因として重要である.小児外科医としての臨床視点から行ってきたTMEを標的とした3系統の神経芽腫基礎研究について報告する.

【間葉系幹細胞(MSC)GD2免疫治療の開発】MSCに着目し,MYCNトランスジェニックマウス(TgM)におけるhoming効果を検証,さらにIFNβ発現MSCによる抗腫瘍効果を確認した.これらの結果から抗GD2抗体発現MSCの開発に至り,神経芽腫細胞株に対するADCC活性をin vitroで,腫瘍増大抑制をin vivoでそれぞれ実証した.現在,骨髄転移モデルを作成して抗腫瘍効果の検証を進行中である.

【微小残存病変(MRD)モデルに対するMEK阻害剤の効果】MEK阻害剤Trametinibを用いて,神経芽腫xenograftモデルによる短期的な増大抑制効果を確認,さらに腫瘍摘出後MRDモデルを構築し,trametinibの腫瘍抑制効果および生存期間延長効果を確認,再発予防の可能性を示唆した.

【転移巣に対する手術侵襲の影響】MYCN TgM由来腫瘍細胞の同系皮下移植モデルを作成し,腫瘍増大に伴い遠隔転移が発生することを確認し,かつ原発巣切除による転移巣増大を確認した.さらに腫瘍操作,手術侵襲,全身炎症について検討し,IL-6など炎症性反応がその促進に寄与している可能性を示した.

【まとめ】免疫治療開発,外科手技を用いたモデルマウス作成,外科治療の影響など,外科的視点を活かしたTME研究を推進しており,臨床への橋渡しを目指す.

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