2024 年 69 巻 1 号 p. 87-95
【目的】新任期保健師の COVID-19 への対応実態と健康関連 QOL および職務満足度との関連を明らかにすることを目的とした。
【方法】2021 年3 月、A 県の新任期行政保健師44 人を対象に無記名自記式質問紙調査を実施した。調査項目は、基本属性、COVID-19 への対応、健康関連 QOL(SF-8)、職務満足度(VAS)である。各項目の記述統計、基本属性、COVID-19 への対応と健康関連 QOL および職務満足度との関連を分析した。
【結果】有効回答数は27 人(61.4%)であった。COVID-19 の対応経験があると回答した者で、「相談業務」、「感染予防に関する対応」はともに66.7%、「疫学調査」29.6%、「感染者への対応」22.2%であった。ピーク時と平常時との生活習慣の比較では、帰宅時間や夕食時間が遅くなり、1 か月の残業時間と休日出勤回数が増加し、睡眠時間が減少している者の割合が高かった。健康関連 QOL との関連では、25~29 歳、保健師就業年数3 年目、COVID-19 への対応で困った経験があった者は、身体的サマリースコア(PCS)の平均値が、感染症主担当者は精神的サマリースコア(MCS)の平均値が、それ以外の者と比較して有意に低かった(p<0.05)。同様に同居家族がいる、保健所所属、感染症主担当、疫学調査の経験があった者は、職務満足度の平均値がそれ以外の者と比較して有意に低かった(p<0.05)。さらに、健康関連 QOL の MCS と睡眠時間数の変化に有意な正の相関(p<0.05)があり、職務満足度と帰宅時間、1 か月の休日出勤回数の変化に有意な負の相関、睡眠時間数の変化に有意な正の相関がみられた(p<0.05)。
【考察】新任期保健師は、COVID-19 への対応ピーク時に心身共に負担の大きい生活を強いられ、健康関連 QOL と職務満足度に影響を及ぼしていたことが明らかになった。今後、新任期保健師への継続的なフォローや現任教育の実施および健康危機管理時における組織体制の見直しが必要と考える。