【目的】食事要因とうつ病リスクとの関連が注目されている。本研究では、抗酸化物質であるビタミンC、ビタミンE及びカロテノイド摂取に着目し、うつとの関連を調べた観察疫学研究成果を収集し、これらの関連に関するエビデンスをまとめた。
【方法】医学文献データベース(PubMed)で、(“vitamin C” OR “vitamin E” OR carotene OR carotenoid) AND (intake OR consumption) AND (“depressive symptoms” OR depression) AND (cohort OR case-control OR cross-sectional) を用い、英文原著論文の観察的疫学研究を対象とした。本研究の目的に一致しない論文、原著論文でないもの、オッズ比または相対危険を算出していない論文を除外し、表にまとめた。
【結果】90編の文献を抽出し、最終的にうつ症状をアウトカムとした観察研究17編を採択した。研究デザインは横断研究14編、コホート研究2編、症例対照研究1編であった。ビタミンCに関する研究8編中6編、ビタミンEに関する研究7編中3編、カロテノイドに関する研究9編では全ての研究で、摂取とうつ症状との間に負の関連が認められた。総抗酸化能に関する研究では、2編とも負の関連が認められた。
【結論】抗酸化物質の摂取は、うつ症状の予防に寄与する可能性がある。日本人を対象とした研究は17編のうち2編の横断研究のみであったうえ、研究対象者が65歳以上と限られていた。日本人におけるコホート研究等のエビデンスの蓄積は必須である。グローバルにおいても、今後は抗酸化物質摂取だけでなく抗酸化物質相互の作用や、食事全体の抗酸化能を評価した指標を用いた疫学研究成果を蓄積する必要がある。