Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
症例報告
頚椎椎弓形成術直後より首下がり現象を発現した高齢者の1例
本田 英一郎田中 達也正島 弘隆角田 圭司
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2020 年 11 巻 7 号 p. 974-979

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抄録

首下がり症候群は以前より筋側索硬化症,重症筋無力症,パーキンソン病など多様な疾患が関与していることは知られているが,長寿化に伴い,高齢者での頚髄症の手術も数多く行われるようになった.今回高齢者の後方椎弓形成術を行った直後より高度な首下がり現象が起こり神経学的には改善しているものの,日常生活でこれが新たな障害として発現した例を経験した.今回この1例から術前に首下がり現象を発現する要因について検討した.本例は高齢者の頚髄症であったこと,C2-7 SVAが40 mmに近く,T1 slopeも40°前傾を呈していたこと,さらに後部の頚椎伸展筋の高度な萎縮があったことが今回の首下がりの大きな術前因子と考えられた.

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© 2020 Journal of Spine Research編集委員会
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