2020 年 11 巻 8 号 p. 1016-1025
腰椎分離すべり症に伴う椎間孔狭窄症に対するfull-endoscopic spine surgeryでの椎間孔拡大術を7症例に行った.すべり下位椎体後上縁を部分切除することで安全なカニューラ設置とexiting nerve root除圧が同時に得られる術式を考案した.平均術後観察期間12.0ヶ月でJOA scoreは術前平均8.43点から22.4点へ,下肢痛VASは術前平均8.9から2.1へと有意に改善した.術後すべりが進行した症例はみられなかった.初期の1例で術後下肢痛の改善がみられず,除圧不足の診断で再手術(full-endoscopic spine surgery)を行い症状の改善が得られた.