Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
3次元術前計画ソフトウェアを用いた椎弓根スクリューの刺入精度の検討
尾崎 友則山田 賢太郎中村 博亮
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2021 年 12 巻 10 号 p. 1246-1250

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抄録

はじめに:脊椎固定術において椎弓根スクリュー(PS)の逸脱は神経・血管損傷,椎弓根の骨折などの合併症を引き起こす.今回,3次元術前計画ソフトウェアを用いた胸腰椎の固定術におけるPSの刺入精度を調査したので報告する.

対象と方法:対象は2019年4月から2020年3月までにPSによる胸腰椎の固定術を行った33例(263本)である.3次元ソフトウェア(ZedSpine,LEXI,Tokyo,Japan)を用いて全例に対しスクリュー径・長さ・刺入経路を術前に計画した.PSの刺入精度を術後CTで評価した.刺入方法(経皮的手技,open手技),術者(A;脊椎手術経験10年以上,B;脊椎手術経験5年未満,C;脊椎非専門整形外科医)による逸脱率の違いに関しても検討を行った.

結果:PSの逸脱は合計12本(4.6%)あり,Grade 1が8例,Grade 2が3例,Grade 3が1例であった.PS逸脱例による神経,血管損傷は認めなかった.またGrade 1以上を逸脱群とした時,経皮的手技とopen手技とでは逸脱率に有意な差を認めなかった(経皮的手技5.0%(6/119),open 4.2%(6/144).p=0.73).術者間による差も認めなかった(A 4.5%(7/157),B 4.3%(3/69),C 5.4%(2/37),p=0.96).

結論:3次元ソフトウェアによる術前計画はPS刺入において逸脱率を低下させる一助になる.

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© 2021 Journal of Spine Research編集委員会
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