Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
下位腰椎化膿性脊椎炎に対するMinimally invasive spine stabilization(MISt)手術の治療成績―腸骨スクリューの有用性―
竹内 拓海山岸 賢一郎河野 仁小西 一斉辻 将明佐野 秀仁高橋 雅人市村 正一長谷川 雅一細金 直文
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2021 年 12 巻 5 号 p. 785-791

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抄録

はじめに:Minimally invasive spine stabilization(MISt)手術を行った,下位腰椎化膿性脊椎炎の術後成績を調査した.

対象と方法:L4以下罹患で経皮的椎弓根スクリューによる後方固定を行った11例で,平均年齢は68.1歳,罹患高位はL4/5;6例,L5/S1;5例であった.

結果:起因菌同定率は54.5%で,11例全例で骨癒合しテリパラチドは9例に使用されていた.Implant failure(IF)(-)は5例で,全例腸骨スクリュー(IS)が挿入されていたが,IF(+)は6例中3例でISが挿入されていた.矯正損失はIS(+)で平均4.4±4.1°,IS(-)で平均10.3±2.9°と,IS(+)で少ない傾向であった(p=0.05).罹患高位別に矯正損失角を比較すると,L4/5罹患例は平均8.5±3.8°,L5/S1罹患例は平均3.0±3.8°(p<0.05)で,有意にL5/S1で少なかった.

結語:下位腰椎罹患で尾側アンカーが不十分だと矯正損失やIFが多く,ISの挿入と重度骨粗鬆症合併例であればテリパラチド使用も検討するべきと考えた.

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© 2021 Journal of Spine Research編集委員会
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