2021 年 12 巻 6 号 p. 814-818
我々痛み診療に従事する医師にとって骨粗鬆症と腰痛は非常に密接した病態であり,それらの機序を正確に理解することが診断および治療の観点から非常に重要である.骨粗鬆症患者が腰痛を訴える原因として1.脊椎疾患の合併,2.骨折,3.骨粗鬆化(骨粗鬆状態そのものがもたらす疼痛),4.サルコペニアの合併の4つが注目されている.重要な点は,これらの原因は独立して存在するのではなく,お互いが重複して存在することが多いということである.このことを常に念頭に置き,腰痛のある骨粗鬆症患者を診察,治療していくことが重要であると考える.