はじめに:コンドリアーゼは腰椎椎間板を減圧しヘルニアの症状を軽減する.しかし効果の発現時期が不明瞭なことが臨床上の不満点である.本研究ではコンドリアーゼの効果を投与後早期の成績から予測した.
対象と方法:2018年8月から2019年11月の間に,腰椎椎間板ヘルニアに対しコンドリアーゼを注入し,12週後まで経過観察可能であった48例を対象とした.調査済みのOswestry Disability Index(ODI, 0~45点)を解析した.投与前を基準とし1,4,12週後における変化量の多重比較検定(Friedman検定,Wilcoxon符号順位検定,Bonferroni補正)および,変化量の単回帰分析を行った.臨床上有意な最小の変化の達成率も計算した.
結果:1,4,12週後のODI変化量は,経過とともに有意に大きくなった(すべてp<0.001).ODIの1週後の結果から4,12週後の,また4週後の結果から12週後の結果を予測可能と分かった(すべてp<0.001.決定係数は4~12週後の0.72が最も強かった).1週後に27%,4週後に50%,12週後に75%の症例で,臨床上有意な最小の変化を達成した.
結語:コンドリアーゼ治療の4週後の効果は1週後に,また12週後の効果は1および4週後に予測できる.特に4週後と12週後は非常に強い関連を示す.
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