2022 年 13 巻 1 号 p. 51-56
はじめに:本研究目的は産後腰痛・骨盤帯痛患者の健康関連QOL(以下,HRQOL)に影響を与える患者特性と日常生活動作について探索することである.
対象と方法:産後腰痛・骨盤帯痛患者37例に対して,リハビリ初回時にHRQOLの指標としてSF-8 Health Surveyの身体的健康度(以下,PCS)と精神的健康度(以下,MCS)を評価した.また,同時に調査した患者特性および,日常生活動作の指標としてOswestry Disability Index(以下,ODI)の9つのサブスケールを用いて,HRQOLの国民標準値との比較と日常生活動作との関連について解析した.
結果:対象者のうち,PCSは89%,MCSは65%が国民標準値未満であった.PCSには,ODIの物を持ち上げること,座ること,社会生活,身の回りのこと,年齢が関連していた.
結語:産後腰痛・骨盤帯痛患者のPCSには,高年で,腰部への屈曲負荷が生じると考える日常生活動作が関連していた.