Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
脊椎のmotion segmentを残す意義~脊椎・各椎間の可動域の割合~
安田 達也
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2022 年 13 巻 10 号 p. 1120-1124

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抄録

はじめに:脊椎固定術では安定性を得られる反面,脊椎可動性を失うことが問題である.下位胸椎~腰椎での脊椎可動性は各椎間でどのようになっているか調査を行った.

対象と方法:腰椎変性疾患にて手術を施行した患者を対象とした.脊椎固定術の既往,DISH,術前腰椎機能撮影のない症例は除外した.術前腰椎機能撮影はT11まで含み坐位で前屈位・後屈位で撮影した.前屈/後屈でのT11/12~L5/S1までの各椎間の可動性を計測し解析を行った.

結果:114例で解析を行った.T11~S1全体で可動域は33.6°で各椎間の割合は,L5/S1:13.8%,L4/5:15.4%,L3/4:20.0%,L2/3:19.7%,L1/2:15.6%,T12/L1:12.2%,T11/12:3.4%であった.下位L4~S1:29.2%,中位L2~4:39.7%,上位T11~L2:31.2%と中位での可動域が最も大きかった.

結語:脊椎固定広範囲固定などで下位固定端をL4までにすることや,上位固定端をL2までにすることでそれぞれ30%ほどの可動域を保持できる可能性があり,指標になりえるデータと考えられた.

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© 2022 Journal of Spine Research編集委員会
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