2022 年 13 巻 10 号 p. 1139-1145
はじめに:成人脊柱変形へのPedicle subtraction osteotomy(PSO)は,骨切り部において高率にRod折損が生じることが報告されている.当科ではRod折損予防のために,原則骨切りした椎体に2期的に前方椎体置換術を追加する方針としている.今回,PSO高位での前方椎体置換術の有用性に関して検討を行った.
対象と方法:当院で2012年1月から2018年12月までに,成人脊柱変形に対して20歳以上でPSOを1椎体以上,5椎間以上の固定を行い,2年以上経過観察が可能であった63例を後ろ向きに検討した.
結果:PSO高位でRod折損をきたした症例は2例/63例(3.2%)であり,前方椎体置換術が施行されていた45例にはRod折損症例は無く,前方椎体置換術を施行しなかった18例中2例にRod折損を生じていた.
結語:PSO高位に前方椎体置換術を施行することはPSO高位でのRod折損予防に有用であると考えられる.