Journal of Spine Research
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Print ISSN : 1884-7137
原著
L5/S1病変に対する脊椎内視鏡を用いた低侵襲椎体間固定術mELIF 30例
柴山 元英倉石 慶太伊藤 全哉中村 周李 光華伊藤 不二夫
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2022 年 13 巻 10 号 p. 1131-1138

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抄録

はじめに:腰椎すべり症や腰仙椎部椎間孔狭窄などのL5/S1病変に対しPLIFやTLIFの椎体間固定術は良い成績が期待できるが,侵襲が大きくなりやすい.低侵襲を目指し後側方進入で,脊柱管除圧をしない脊椎内視鏡下椎間孔外腰椎椎体間固定術(mELIF)を33例に行ったので報告する.

対象と方法:L5/S1にmELIFを行い半年以上経過観察できた30例を対象にした.男14,女16例,平均61.5歳.病名は椎間孔狭窄と分離すべり症が各14例と多かった.手術は片側の正中約5 cm側方から椎間板外側ヘルニア切除の進入法を用い,脊椎内視鏡を椎間関節上に設置.椎間孔を部分切除し椎間板へ達し切除,内視鏡下にケージと移植骨を挿入.両側の経皮的椎弓根スクリュー,ロッドで固定する.

結果:平均24ヶ月で,臨床成績は大幅に改善した.JOAスコアは11.4点が24.4点に,腰痛NRSは6.4が2.1に,下肢痛は5.2が1.1に改善した.Macnab評価では優,良が90%であった.臨床的な合併症はなかった.1年での骨癒合率は70%であった.

結語:L5/S1の単椎間固定術は,分離すべり症や椎間孔狭窄が多いので脊柱管除圧は必ずしも必要でなく,mELIFは理論的にも適している.内視鏡下手術で安全性が高く低侵襲で,良好な結果が得られた.

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© 2022 Journal of Spine Research編集委員会
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