Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
側弯症の固定端を決定づけるend vertebrae,neutral vertebrae,stable vertebraeのカーブタイプ別信頼性について
増田 佳亮重松 英樹田中 誠人奥田 哲教川崎 佐智子須賀 佑磨山本 雄介池尻 正樹撫井 貴弘田中 康仁
著者情報
キーワード: 終椎, 信頼性
ジャーナル フリー

2022 年 13 巻 11 号 p. 1202-1205

詳細
抄録

はじめに:特発性側弯症の手術において,遠位の固定端を決定するためにend vertebrae(EV),neutral vertebrae(NV),stable vertebrae(SV)という指標が用いられている.それらの指標の信頼性に関しては過去に報告があるが,カーブタイプごとの信頼性の報告はない.

本研究の目的は特発性側弯症のカーブタイプ別の尾側EV,NV,SVの検者間・検者内信頼性を検討することである.

対象と方法:当院の外来を受診した特発性側弯症患者のうち,胸椎カーブを有する患者20名,腰椎カーブを有する患者18名を対象とした.2人の整形外科医(1人が非専門医,1人が脊椎脊髄外科指導医)がそれぞれ患者の全脊椎立位正面のレントゲン画像から尾側EV,NV,SVを識別し,それらの検者間・検者内信頼性を評価した.

結果:胸椎カーブにおける検者間のκ値はEVで0.49,NVで0.58,SVで0.50であり,非専門医における検者内のκ値はEVで0.92,NVで0.88,SVで0.94であり,脊椎脊髄外科指導医においてはEVで0.48,NVで0.68,SVで0.65であった.腰椎カーブにおける検者間のκ値はEVで0.67,NVで0.45,SVで0.61であり,非専門医における検者内のκ値はEVで0.45,NVで0.42,SVで0.64であり,脊椎脊髄外科指導医においてはEVで0.68,NVで0.57,SVで0.61であった.

結語:検者内信頼性・検者間信頼性は胸椎カーブ,腰椎カーブの双方で高かった.AIS固定端決定におけるEV,NV,SVの評価はカーブの部位にかかわらず信頼性の高い評価方法である.

Fullsize Image
著者関連情報
© 2022 Journal of Spine Research編集委員会
前の記事 次の記事
feedback
Top