2022 年 13 巻 11 号 p. 1195-1201
思春期特発性側弯症Lenkeタイプ5Cカーブに対して,第3腰椎を下端椎とした選択的腰椎固定術を行い,胸腰椎/腰椎:胸椎コブ角比により術後固定遠位隣接椎間板角の評価を行った.56例中6症例(10.7%)で,遠位隣接椎間板角の10度以上の楔状化を認めた.Risser sign 4以上,胸腰椎/腰椎:胸椎コブ角比が1.5以上の症例においても,骨成熟度が未熟な場合,経過観察中に胸椎カーブの進行と遠位椎間板角の楔状化をきたす可能性がある.また,胸腰椎/腰椎:胸椎コブ角比1.3前後の症例に関しても,胸椎カーブの残存により隣接椎間板の楔状化が起きる可能性があり,その選択には注意を要する.