Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
異なる学校検診システム地域からの側弯症手術患者の特徴―客観的検査法の有無における比較―
奥脇 駿小谷 俊明中山 敬太佐久間 毅飯島 靖赤澤 努南 昌平大鳥 精司山崎 正志
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2022 年 13 巻 11 号 p. 1171-1176

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抄録

はじめに:思春期特発性側弯症(AIS)に関して,早期発見・治療を目的とした学校検診が重要である.しかし本邦では自治体毎に検診法は異なる.今回,紹介元の違いで術前患者を評価し学校検診の有効性を比較検討した.

対象と方法:当院で手術を受けたAIS患者で,運動器検診に加えて客観的検査法を併用している地域からの紹介(X群),運動器検診のみの地域からの紹介(Y群)とした.患者背景を比較し,受診する契機が学校検診によるものか否かを調査した.

結果:X群は117名,Y群は40名であった.X群で初診時の年齢が低く(p=0.012),受診契機が学校検診の割合が高く(p<0.001),初診時主カーブCobb角が小さかった(p<0.001).Y群で手術時の年齢は低く(p=0.011),術前の主カーブCobb角は大きかった(p<0.001).

結語:運動器検診のみを行なっている地域からの紹介患者は,初診時の年齢が高く,初診時・術前の主カーブCobb角も大きかった.また,運動器検診のみの地域からの受診患者では,学校検診契機で受診する割合が低かった.客観的検査法を併用している地域の方が早期受診に寄与している可能性がある.

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© 2022 Journal of Spine Research編集委員会
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