Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
急性期BKPにおける術後セメント漏出の術前CTでの予測と術後血管内セメント塞栓の検討
高宮 成将土屋 勝久保田 光昭金 栄智乾 哲也大野 隆一
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2022 年 13 巻 2 号 p. 126-131

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抄録

はじめに:Balloon Kyphoplasty(BKP)でのセメント漏出は,重大な合併症を引き起こす可能性があるが,術前画像で血管系への漏出リスクを予測する報告はなかった.本研究では,BKP術後のセメント漏出リスクを術前CTで予測可能か,また術後血管内塞栓について検討した.

対象と方法:対象は2016年11月から2019年9月に急性期骨粗鬆症性椎体骨折に対しBKPを施行した81例.骨折分類に杉田分類を用いた.術前CTで椎体骨皮質破断の有無,術後CTでセメント漏出の有無を評価した.

結果:セメント漏出群は23例(28.4%)だった.終板ずれ型は,他の型に比べ有意にセメント漏出が多く(p = 0.0072),椎体骨皮質破断ありでの漏出群の割合は35.6%であり,破断なしに比べ有意に高値だった(p=0.015).また,椎体周囲静脈叢へのセメント塞栓についても全例が終板ずれ型だった.

結語:術前CTで椎体骨皮質破断が見られる場合は,セメント漏出が有意に多かった.血管内へのセメント塞栓については,終板ずれ型が危険因子である可能性が考えられる.

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© 2022 Journal of Spine Research編集委員会
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