Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
思春期特発性側弯症(Lenke 1)に対するball tip probeを用いた用手的胸椎椎弓根スクリュー:術者間の比較
安部 真人宇野 耕吉川北 晃平鈴木 哲平伊藤 雅明山本 修士
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2022 年 13 巻 2 号 p. 96-101

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抄録

はじめに:思春期特発性側弯症に対する胸椎ペディクルスクリューは広く普及している手技で,具体的な方法は用手的,X線透視下,ナビゲーション下など施設により様々である.我々は一貫してball tip probeを用いた用手的screw刺入を行ってきたので,術者間での逸脱率につき比較検討した.

対象と方法:2008年1月から2019年7月までに手術を行ったAIS 804例の内,Lenke 1に分類される100症例を熟練した術者1名による初期の50例(A群)とその術者より指導を受けた術者4名による最近の50例(B群)に分け対象とした.ball tip probeを用いたフリーハンドテクニックにより刺入し,CTで刺入位置を評価した.逸脱方向を内側,外側,前方に分類し,逸脱の程度をGrade分類した.

結果:逸脱率はA群3.6%,B群3.4%であり,重大な合併症は認めなかった.

結語:フリーハンドテクニックを用いた胸椎pedicle screw刺入手技は,適切な指導環境下では逸脱率もナビゲーション下手術と遜色なく,かつ術者間での逸脱率誤差を小さくすることも可能な,安全,安価な手術手技である.

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© 2022 Journal of Spine Research編集委員会
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