Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
腰椎椎間板ヘルニアの面積,脊柱管占拠率と臨床所見との関連―L4/5,L5/S高位の比較―
勢理客 久比嘉 勝一郎屋良 哲也
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2022 年 13 巻 5 号 p. 791-797

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抄録

はじめに:腰椎椎間板ヘルニアにおける腰痛,下肢痛・しびれに関してヘルニア面積や脊柱管占拠率,肥満が影響するとの報告がある.腰椎椎間板ヘルニア症例の術前臨床症状およびJOABPEQ疼痛関連障害,腰椎機能障害,歩行機能障害のスコアとヘルニア面積,脊柱管占拠率,BMIの関連について検討した.

対象と方法:当院で手術治療を行った腰椎椎間板ヘルニア101例における術前MRIのヘルニア面積,脊柱管占拠率およびBMIと腰痛,下肢痛およびしびれのVAS,JOABPEQの痛関連障害,腰椎機能障害,歩行機能障害のスコアとの関連についてL4/5高位,L5/S高位別に検討を行った.さらにVASを高度群と軽中等度群,JOABPEQ各項目を高度障害群と軽中等度障害群に分け年齢,男女比,BMI,ヘルニア面積,ヘルニア占拠率について比較を行った.

結果:ロジスティック回帰分析の結果はL4/5群において女性であることは高度下肢痛の,BMI高値は高度腰痛の,BMI高値は歩行障害の因子であった.

結語:L4/5高位において性別は下肢痛に,BMIは腰痛や歩行機能障害に関与することが示唆された.

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© 2022 Journal of Spine Research編集委員会
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