2022 年 13 巻 5 号 p. 778-783
はじめに:頚椎椎弓形成術における多剤カクテル注射の術後鎮痛効果と安全性の検討を前向き無作為化比較試験で行った.
対象と方法:頚椎椎弓形成術を施行した50例を無作為にカクテル群(ロピバカイン18 ml,フルルビプロフェン1.25 ml,0.1%アドレナリン0.1 ml,水溶性プレドニン0.75 ml)25例,対照群(レボブピバカイン0.5%20 ml投与)25例に分けた.創部痛VAS(帰室時,術後3,6,12時間,術後1,2,3,5,6,7日目),帰室後鎮痛剤を使用するまでの時間,24時間以内の鎮痛剤使用回数を比較した.
結果:創部痛VASは術後1,3,5,6日目においてカクテル群が有意に低かった(p=0.01,0.019,0.024,0.009).24時間以内の鎮痛剤使用回数はカクテル群で有意に使用回数が少なかった(p=0.04).術後合併症は認めなかった.
結語:多剤カクテル注射はレボブピバカイン単剤の局所浸潤麻酔法と比較し,頚椎椎弓形成術後6日以内の創部痛VAS,24時間以内の鎮痛薬使用量を減少させた.多剤カクテル注射は頚椎椎弓形成術術後疼痛管理の一選択肢になると考える.