Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
内視鏡下椎弓切除術31例の術後1年成績―黒川式椎弓形成術との比較
中川 智刀髙橋 永次徳永 雅子星川 健兵藤 弘訓佐藤 哲朗
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2022 年 13 巻 8 号 p. 1005-1010

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抄録

はじめに:頚髄症に対する手術療法として脊椎内視鏡を使ったCMEL(Cervical MicroEndoscopic Laminotomy)が報告されている.当科では椎弓切除術に変更の上(CMEL変法)導入した.この術式は低侵襲であるが,選択的除圧および椎弓切除であることで,従来の治療法に比し治療成績悪化の危惧があり,治療成績の検討が必要である.

目的:当科で行ったCMEL変法と黒川法の1年成績を比較検討し,CMEL変法の有用性,問題点を明らかにすることである.

方法:CMEL変法は,開窓椎間の椎弓を完全に切除する方法である.対象はCMEL変法31例,黒川法39例である.検討項目は,手術時間,出血量,合併症,術後入院期間,術前と1年後のJOAスコアー,JOACMEQ,頚部痛NRSとした.

結果:平均手術時間に差はなかった.平均出血量はCMEL変法の方が少なかった.術後入院期間はCMEL変法がより早期に退院していた.JOAスコアーは術前後ともに差がなかった.JOACMEQは,術前の頚椎機能以外は差がなかった.頚部痛NRSは,術前,術後ともに差がなかった.

結論:CMEL変法は,黒川法と同等の術後成績であり,しかも低侵襲手術のため早期退院が可能な優れた術式である.

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© 2022 Journal of Spine Research編集委員会
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