Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
第1/2腰椎椎体間に対する横隔膜を温存した側方椎体間固定術~第10肋間からのアプローチ~
山路 晃啓辰村 正紀長島 克弥江藤 文彦竹内 陽介船山 徹山崎 正志
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2022 年 13 巻 8 号 p. 1055-1060

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抄録

はじめに:複数椎間にLIFを行う場合のL1/2へのアプローチとして,第10肋間から別に皮膚切開を加えることで横隔膜切開を回避可能とする術式と術後成績を紹介する.

対象と方法:2015年12月から2021年7月までにL1/2に対し第10肋間からのアプローチでLIFを行なった10例を対象とした.平均年齢は71歳,男性4例,女性6例.周術期合併症を調査した.

後腹膜アプローチでL2/3を展開し,後腹膜側から逆行性に横隔膜を肋骨との付着部から剥離.第10肋間に皮膚切開を加え,肋間筋を切開し,L1/2にLIFケージを挿入する.

結果:合併症は2例に壁側胸膜損傷を認めた.術中に吸収糸で縫合,術後経過で気胸の出現はなかった.終板損傷やALL損傷,腹壁偽性ヘルニアの合併症は認めなかった.

考察:通常L1/2のLIFでは横隔膜の切離や第11肋骨の切除が必要になる.高齢者の横隔膜は薄く,再建困難なことがある.横隔膜に愛護的な本アプローチはL1/2ケージを挿入する際に有用と考える.

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© 2022 Journal of Spine Research編集委員会
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