2023 年 14 巻 4 号 p. 733-738
はじめに:脳性麻痺に伴う脊柱側弯症に対し側弯矯正固定術を行った.手術の至適時期について検討したので報告する.
症例:14歳男児,混合型脳性麻痺.幼少期より側弯を指摘され小児病院で経過をみられていたが側弯進行し当院紹介となった.ADLは足漕ぎ車椅子を自走し,10 m程度歩行可能,GMFCS level IIIであった.初診時main curve 52°の側弯を認めたが骨盤傾斜はなかった.今後の悪化を懸念し早期の手術を予定したが手術待機中20°以上の側弯進行と10°の骨盤傾斜を生じた.本症例に対し骨盤固定を回避し手術を行った.術後はADLの悪化はなく,現在のところ経過良好である.
結語:初診の段階で骨盤傾斜がなくても早期に進行してくる可能性を考え,手術を計画する場合は可及的速やかに計画をする必要がある.