Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
血液透析患者に発生した頚髄症に対する手術成績
池田 光正宮本 裕史青山 真吾鳥海 賢介
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2023 年 14 巻 7 号 p. 985-991

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抄録

はじめに:血液透析患者に発生した脊髄症は脊椎破壊性変化を合併することがあり,インストゥルメントを併用した手術は難易度が高い.今回,頚椎椎弓形成術(LP)単独と後方固定術(PF)を併用した例の手術成績を調査した.

対象および方法:頚髄症を呈したHD患者23名,平均年齢70歳を調査した.術式はLP(A群)10名,LP+PF(B群)13名とした.JOAスコア,JOAスコア改善率,C2/7角,局所後弯角は術前,最終追跡時(FU)に調査した.

結果:JOAスコアはA群:術前/FU:7.9/10.4点,平均改善率35.5%,B群:6.9/9.9点,平均改善率44.3%であった.C2/7角はA群:術前/FU:10.9/13°,B群:-2.6/1.6°,局所後弯はA群:認めず,B群:-14.6/-4.1°であった.隣接障害2例,C5麻痺2例を認めたが,死亡(周術期)は認めなかった.

結語:重症なDSA症例であっても除圧に後方固定術を併用することで良好な成績が得られた.

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© 2023 Journal of Spine Research編集委員会
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