Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
90歳以上の超高齢者における骨粗鬆性椎体骨折(OVF)に対するBalloon kyphoplasty(BKP)の施行時期と有効性
平本 剛士酒井 翼
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2023 年 14 巻 7 号 p. 1044-1047

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抄録

はじめに:高齢者(特に90歳以上の超高齢者)は併存症が多く,OVF治療において合併症の発生やADL低下等が問題となる.OVFに対するBKPは低侵襲かつ即時除痛,早期ADL回復に有効な治療法であるが,90歳以上の超高齢者にもBKPが有効かつ安全か,施行時期別に検討した.

対象と方法:対象はOVFと診断されBKPを行った90歳以上の症例で,受傷後14日以内に施行した20例(超早期群)と,受傷後15日以降に施行した15例(待機群)に分けて検討した.検討項目は手術前後の体動時腰痛numerical rating scale(NRS),ADL低下率,入院中合併症の有無,術後新規椎体骨折の有無,受傷前後の骨粗鬆症治療の有無とした.

結果:術前後のNRSは超早期群平均6.9から3.4,待機群は6.5から2.5と両群有意に改善した.一方,両群間の術前後NRS,ADL低下率,入院中合併症,術後新規椎体骨折の有無,骨粗鬆症治療の有無は有意差を認めなかった.

結語:超高齢者OVF治療において離床後も疼痛が続きADL障害が著明な場合,柔軟にBKPの施行を検討して良いと思われる.

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© 2023 Journal of Spine Research編集委員会
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