Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
腰仙椎低侵襲多椎間固定術におけるL5/S1局所前弯及び骨癒合不全危険因子の検討
川島 康輝石原 昌幸谷口 愼一郎足立 崇朴 正旭谷 陽一田中 貴大政田 亘平安藤 宗治齋藤 貴徳
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キーワード: L5/S1, 骨癒合率, 局所前弯角
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2023 年 14 巻 8 号 p. 1173-1180

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抄録

目的:腰仙椎多椎間固定術後L5/S1レベルでの骨癒合不全は少なくない.腰仙椎多椎間固定術後L5/S1レベルにおける骨癒合率及び獲得局所前弯角,骨癒合不全危険因子を検討した.

対象:2014年以降当院で腰仙椎固定術を行い術後2年以上経過観察可能であった35例に関して後ろ向きに,L5/S1における固定椎間数別骨癒合率,cage個数別骨癒合率,cage素材別骨癒合率,cage前弯角度局所前弯角(以下SL)等を比較検討した.

結果:2椎間固定(L4/5/S)8例,3椎間固定(L3/4/5/S)11例,4椎間固定(L2/3/4/5/S)16例であった.骨癒合率は2椎間固定87%,3椎間固定:73%,4椎間固定:62%であり4椎間症例で有意に骨癒合率が低かった.骨癒合群(U群)と骨癒合不全群(N群)で脊椎骨盤パラメーターを比較した結果N群で術前PI,術後PI-LL,術後SVAが有意に高く,多変量解析の結果術前PIが骨癒合不全リスクとして検出され,カットオフ値51°,AUC0.807であった.SLは,術前平均5°が術後平均10°に改善した.cageの前弯角に応じてSLが増加し,相関係数0.73,p<0.001であり有意な相関性を認めた.

結語:本結果より4椎間固定症例で有意に骨癒合率が低く,PIが癒合不全の危険因子でありカットオフ値が51°であった.獲得SLはcage前弯角と相関があったが,骨癒合率においてはケージ素材,個数,前弯角と相関は認めなかった.

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© 2023 Journal of Spine Research編集委員会
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