2023 年 14 巻 8 号 p. 1165-1172
椎間孔狭窄症に対して通常は患側の後外側からアプローチしているが,L5-S1高位のように後外側からの進入角度に制約がある場合で同高位に脊柱管狭窄を合併している場合には,対側椎弓間アプローチの方が有利である場合が考えられる.経皮的全内視鏡下対側進入椎間孔除圧術(以下PfELCIF)と従来の経皮的全内視鏡下椎間孔除圧術(以下PfELF)とを比較した.
PfELCIFをL5-S1高位に行った9例9椎間を対象とし,同時期にL5-S1高位の椎間孔狭窄に対してPfELFを行った29例32椎間を比較対象とした.
術後dysesthesia発生例は両群ともなかった.椎間孔断面積拡大率は内側ではPfELCIFで有意に高く,外側ではPfELFで有意に高かった.VAS下肢症状平均改善率に有意差はなかった.
椎間孔内側部の拡大率がPfELCIFで良好であり,L5-S1高位で椎間孔主狭窄部位が中央から内側にあり脊柱管狭窄の合併例にはPfELCIFが有用な選択肢となると考える.