Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
コンドリアーゼ初期100例の治療成績
吉岡 淳思近藤 幹大田中 健一郎蜂谷 裕道
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2023 年 14 巻 9 号 p. 1204-1212

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抄録

はじめに:腰椎椎間板ヘルニアに対するコンドリアーゼ椎間板内酵素注入療法の治療効果について検討した.

対象と方法:2018年8月から2021年9月にかけて腰椎椎間板ヘルニアに対してコンドリアーゼ注入療法を行った100例を対象とした.男性76例,女性24例,平均年齢は36.3歳(15歳~62歳).VAS score(腰痛,下肢痛,下肢しびれ),合併症,手術移行例,再発例に加えて,X線画像,MRIを調査した.

結果:各VASスコアは投与後3週の時点で改善を認め,投与3ヶ月以降は有意に改善し,最終観察時まで維持できていた.合併症は,皮疹を3例に認め,発熱と投与時の一過性の臀部痛,下肢痛の増悪を1例で認めた.コンドリアーゼの効果が得られず手術に移行したものは8例,投与後の再発は2例で認めた.X線画像での椎間板高については投与後3週時点で有意な低下を認めたが,それ以降は低下傾向ではあるものの有意な低下は認めなかった.MRIでは58例でヘルニア塊の縮小を認めた.

結語:コンドリアーゼ治療の効果について自験例100例を報告した.重篤な合併症はなく良好な治療効果が得られていた.

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© 2023 Journal of Spine Research編集委員会
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