Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
骨粗鬆症を伴う脊椎に対するテリパラチド補助療法―皮質骨からみた長期投与の意義―
澤上 公彦渡辺 慶長谷川 和宏山本 智章島倉 剛俊大橋 正幸庄司 寛和溝内 龍樹田中 裕貴瀬川 博之平野 徹川島 寛之遠藤 直人高橋 榮明
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2023 年 14 巻 9 号 p. 1197-1203

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抄録

はじめに:テリパラチド(TPTD)はその強力な骨形成促進作用ゆえに,脊椎手術における骨粗鬆症関連合併症の予防目的に補助療法として期待されている.今回,脊椎手術患者における腸骨皮質骨の動態評価を行い投与期間の影響を検討した.

対象と方法:骨粗鬆症を伴う脊椎固定術患者で骨生検に同意した39例(TPTD群32例,非投与(NTC群)9例)を対象とした.TPTDの投与期間は1ヶ月(6例),2ヶ月(7例),3ヶ月(7例),4ヶ月(6例),6ヶ月(6例)であった.全例,術前にテトラサイクリン内服による2回標識を施行.脊椎後方手術時に腸骨生検を行い,非脱灰薄切標本を作製した.骨形態計測法にて皮質骨における骨形成パラメーター骨石灰化面(MS/BS)を算出,TPTD投与期間別に分類しNTC群と比較した.

結果:骨内膜MS/BSはTPTD投与開始後3ヶ月でピークを迎えNTC群の2.3倍に達した.骨膜MS/BSは6ヶ月で有意な増加かつ最高値に達した(p=0.0446).

結語:力学的強度において重要となる皮質骨に対する骨形成を増大させるには6ヶ月以上かつ24ヶ月までのTPTD継続投与が有利である.

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© 2023 Journal of Spine Research編集委員会
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