Journal of Spine Research
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総説
筋電図からみた体幹の筋活動様式
大久保 雄
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2024 年 15 巻 6 号 p. 839-843

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抄録

体幹筋は四肢の筋とは異なる神経支配を受けていることから,随意的な筋収縮よりも協調的なモーターコントロール機能を担っている割合が高い.そのモーターコントロールを構築する上で重要な筋が深層に位置するローカル筋であり,腹横筋や多裂筋が該当する.筋活動様式は,1)early activity(先行的な活動),2)tonic activity(持続的な低い活動),3)phasic activity(爆発的な活動)の3つに大別され,その中でローカル筋は主にearly activityやtonic activityの活動様式を示し,四肢の運動の土台となる.一方,痛み刺激はローカル筋の機能不全を生じさせ,代償的な表層筋(グローバル筋)の過活動や椎間関節など関節へのストレス増加を引き起こす.よって,アスリートの運動療法において,受傷早期からローカル筋のモーターコントロールエクササイズを行い,適切なローカル筋の活動様式を獲得した後に大きな力を発揮させるリハビリテーションが腰痛予防において重要となる.

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© 2024 Journal of Spine Research編集委員会
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