Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
腰椎Schmorl結節の経時的変化とModic changeとの関連性―腰痛症例にも着目して―
楊 寛隆村上 秀樹堀井 高文川村 竜平山部 大輔鈴木 忠千葉 佑介土井田 稔
著者情報
キーワード: Schmorl結節, Modic change, 腰痛
ジャーナル フリー

2024 年 15 巻 6 号 p. 833-838

詳細
抄録

はじめに:経時的なSchmorl結節(Schmorl's node;SN)のサイズ変化とModic change(MC)の変化,および腰痛との関連を検討した.

対象と方法:2004年から2020年までに腰椎MRIを撮影し2年以上の経過で再評価可能であった症例(検討①),および,筋・筋膜性,椎間関節性,骨性,椎間板性,神経原性など腰痛の原因が特定できず,SNまたは随伴するMCが腰痛の主因と疑われた症例(検討②)を対象とし,SNとMCのMRI所見を比較検討した.

結果:(検討①)最終観察時,135人SN総計321椎間中,縮小58椎間(18.0%),不変164椎間(50.9%),増大65椎間(20.2%),新規発生34椎間(10.6%),消失1椎間(0.3%)であった.このうち,縮小例,増大例,新規発生例ではMC+が有意に多かった(P<0.05).一方,不変例ではMC-が有意に多かった(P<0.001).(検討②)最終観察時,27人SN65椎間中,縮小14椎間(21.5%),不変30椎間(46.2%),増大16椎間(24.6%),新規発生5椎間(7.7%)であった.このうち,MC1を有するSNとMC-のSNを比較すると,MC1を伴うSN増大例とSN新規発生例が占める割合はMC-の場合と比較して有意に多かった(増大例:MC1;53.3%,MC-;17.6%,新規発生例:MC1;26.7%,MC-;0%)(P<0.05).

結語:増大あるいは新規発生するSNはMC,特にMC1の発生と関連しており,腰痛を長期化させる病態への関与が示唆された.

Fullsize Image
著者関連情報
© 2024 Journal of Spine Research編集委員会
前の記事 次の記事
feedback
Top