Journal of Spine Research
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総説
ピラティスによる腰痛の運動療法ネットワーク~徳島大学モデル~
藤谷 順三西良 浩一
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キーワード: ピラティス, 運動療法, 連携
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2024 年 15 巻 6 号 p. 877-884

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抄録

腰痛の運動療法としてピラティスが注目されている.しかし,本邦においてその効果は十分に検証されていない.そこで徳島大学では2021年11月より運動機能外科を中核に,徳島大学病院と連携する県内の5病院・2大学と「ピラティスによる運動療法の推進および効果検証プロジェクト」を開始した.

徳島大学病院にて脊椎疾患の手術を受けた入院患者か,過去に手術を受けた再来患者のうち,本人の同意が得られた者は連携病院に入院(週6日,1日60~120分,2~4週間)もしくは通院(週1~2回,1回40分)し,Joint-by-Joint theoryに基づき腰椎の安定性向上と胸椎と股関節の可動性向上をねらいとしたピラティスを実施した.これらの運動療法は,ピラティス指導の教育を十分に受けた医師,理学療法士,作業療法士が行った.

プロジェクト開始から2年間が経過し徐々に症例が得られている.腰椎後側弯症の73歳女性は,4週間のピラティス入院により痛みが消失した.さらにバランス機能が向上し,立位,座位,歩行時のアライメントも改善した.

今後,連携病院とのネットワークを活用して症例を重ね,ピラティスによる運動療法の有効性を検証したい.

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© 2024 Journal of Spine Research編集委員会
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